灼熱の海王星型惑星 K2-105b を発見
〜第2の地球探しへの足がかり〜
東京大学、アストロバイオロジーセンター、国立天文台などの研究者らが参加する国際研究チームは、NASAが打ち上げたケプラー衛星の観測データと、国立天文台ハワイ観測所のすばる望遠鏡および岡山天体物理観測所の188cm望遠鏡による地上連携観測から、およそ700光年先にある太陽のような恒星のまわりに、公転周期がたった8.3日ほどしかない灼熱の海王星型惑星(ホットネプチューン)の存在を発見しました。そして、この惑星は「K2-105b」と名付けられました。ホットネプチューンはこれまでもケプラー衛星によって数多く発見されてきましたが、K2-105b はその中でも主星が比較的明るいため、今後惑星の詳しい性質を調べていくことが可能です。また、新しい惑星を発見した今回の研究手法は、2018年3月に打ち上げられる予定のトランジット惑星探索衛星TESSと地上望遠鏡との連携観測の予行演習とも言うべきものであり、これからのTESSの時代に、日本の望遠鏡と観測装置で第2の地球とも呼べる惑星を発見できることを示しています。
詳細については、東京大学のホームページをご覧ください。
灼熱の海王星型惑星 K2-105b を発見 〜第2の地球探しへの足がかり〜
K2-105b のトランジットによる主星の明るさの変化。左の青い点はケプラー衛星で観測された9回のトランジットを重ね合わせたもの。黒い実線はトランジットによる明るさの変化のモデル。トランジットの際に約0.13%だけ減光している。下にプロットされている黒い点は、観測とモデルとの残差。中央と右の赤い点は岡山天体物理観測所188cm望遠鏡のMuSCATで観測された1回のトランジットで、中央は赤い波長(550-700nm)、右は近赤外線の波長(820-920nm)の光で観測されたもの。ケプラー衛星とMuSCATのそれぞれのトランジットの深さにほとんど違いがなく、どの波長で見ても減光の深さが変わらないことがわかる。