国内最大級の口径を持つ光学赤外望遠鏡です。1960年の開所時には世界第7位、東洋一の反射望遠鏡でした。製作には約5年かかり、建物を含めて当 時約3億円を要しました。グラブ・パーソンズで作られた同じ大きさの望遠鏡はカナダ、オーストラリア、フランス、エジプトにもあります。
主鏡のF比は4.9で、鏡筒は長い8角トラス構造となっています。マウントがイギリス式のため、望遠鏡の指向精度は良くないのですが、2013年に行った駆動系の大改修により±10″前後になっています。
この望遠鏡は3つの焦点を持ち、観測目的により観測機器、副鏡の交換を行います。焦点におけるスケールを月の大きさで表すと、ニュートン焦点では9cm、カセグレン焦点では34cm、クーデ焦点では54cmの直径になります。
188cm反射望遠鏡の世間に与えたインパクトの大きさは想像に難くありません。部品が現在の倉敷市玉島港から竹林寺山へ輸送されるのをみた少年が実際に天文学者として活躍しています。
望遠鏡のスペック(光学系)
主鏡
焦点距離 |
9.15m F/4.9 |
材質 |
パイレックス材(ピルキントン社) |
厚み |
27cm |
重量 |
1.7トン |
形状 |
放物面 |
クーデ副鏡
材質 |
溶融水晶 |
外径 |
507.88mm |
重量 |
34kg |
形状 |
双曲面 |
Paraxial radius |
5171.39mm |
カセグレン副鏡
材質 |
溶融水晶 |
外径 |
507.88mm |
重量 |
34kg |
形状 |
双曲面 |
Paraxial radius |
5937.50mm |
ニュートン副鏡
材質 |
溶融水晶 |
外径 |
533.4mm |
重量 |
41kg |
形状 |
平面 |
焦点
|
焦点距離 |
口径比 |
焦点面でのスケール(1mm当たり) |
クーデ焦点 |
54.29m |
29 |
3.80″ |
カセグレン焦点 |
33.85m |
18 |
6.09″ |
ニュートン焦点 |
9.15m |
4.9 |
22.5″ |
案内望遠鏡
口径 |
15 cm |
焦点距離 |
150 cm |
視野 |
1°11′ |
視野十字線中央の間隔 |
36″ |
望遠鏡のスペック(機械系)
概要(機械系)
マウント |
イギリス式赤道儀 |
重量 |
50トン |
鏡筒 |
センターピース+8角トラス、長さ9m |
指向精度 |
約±20” > 約±10” (2013年改修後) |
特殊マウントのため、時角・赤緯の関係によっては指向不可能な天域があります。特に赤緯50度以上の天体を観測する場合は計画に注意が必要となります。
駆動速度
種類 |
速度 |
赤経軸粗動駆動 (最大) |
24°/min |
赤経軸微動駆動 (最大) |
75’/min |
赤緯軸粗動駆動 (最大) |
24°/min |
赤緯軸微動駆動 (最大) |
60’/min |
参考:2013年改修前
駆動速度
種類 |
速度 |
モーター |
クイックスピード |
40°/min |
DCサーボモーター |
スロースピード(セット)* |
18’/min |
ACインダクションモーター |
スロースピード(ガイド) |
5″~90″/min |
DCサーボモーター |
*赤緯微動(Aフレーム)可動範囲:5°30’セルフセンター機構付き(セット)
表示(読み取り)
|
赤経(RA) |
赤緯(Dec) |
アブソリュートエンコーダー |
0.0625秒(0″.9375) |
1″.5 |
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